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現場と向き合い
明るい未来を見せる。

PROFILE

昭和シェル石油株式会社グループ

株式会社ライジングサン

中部支店 プロジェクト担当

平山 隆道

2010年、昭和シェル石油株式会社に入社。首都圏支店、本社リテール販売部、四国営業所のアカウントマネージャーと、本社で全国の販売戦略を企画する仕事から、現場で特約店と直接向き合う仕事まで幅広く経験したのち、2016年4月に㈱ライジングサンに出向。これまでに築いた現場主義の仕事観を活かして、㈱ライジングサンの活動領域の拡大や職務内容の改革推進に参画し、全国の昭和シェルのサービスステーション(SS)をより強くするプロジェクトを担当している。

本社の机上だけでは
分からないことがある。

平山氏が昭和シェル石油から、グループ会社の㈱ライジングサンに出向したのは、あるミッションを受けてのことだった。㈱ライジングサンは、バッテリーやワイパーなどの燃料油以外の自動車関連商品を全国の昭和シェル特約店に卸す企業。グループ企業の中で最もSS現場に近いフロントラインを担っているため、自社商品の販売活動のみにとどまらず、SS現場自体を強くするための活動が求められていた。

「サービスステーション(SS)を経営するマネジメント層と本音の話ができていなかったんですよね。㈱ライジングサンのセールスは、昭和シェルのSSを強くし、働く人たちを笑顔にするためにできることを、現場と向き合って考えることができる意義のあるポジション。SSを変えることはもちろん、『自分たちはSSを強くすることがミッションなんだ』と、自らも成長しながら㈱ライジングサンの社員と一緒になって苦楽を共にして活動し、㈱ライジングサンの活動領域を拡げ、更には企業文化を変えるために貢献するリーディングランナーになると思って取り組んでいます」

『特約店主義』を掲げる昭和シェル石油らしいプロジェクトだが、平山氏自身は現場重視の想いを入社時から持っていたわけではなかった。転機となったのは、入社5年目に赴任した四国営業所での経験だった。

「本社リテール販売部では、全国の販促成功事例を集めて横展開する仕事をしていたので、いつ現場に行ってもその知見を活かせると考えていました。でも行ってみてはじめて、成功事例が必ずしも他のSSに当てはまるとは限らないと思い知りました。社長が賛同してくれなかったり、人手が足りていなかったり、チームがまとまっていなかったり。現場で何が起こっているのか、一人ひとりが何を考えているのかを知るためには、現場に足を運ばなければ始まりませんでした。机の上で仕事をしていても何も起こらない。まず顔を合わせて、相手が社長でも意見を戦わせて、試行錯誤を繰り返すことが大事。現場に重要な答えやヒントがあると身をもって実感しました。僕の尊敬する先輩が『本当のエリートは現場を知ってこそ』と言っていた意味が分かりました」

変革に軋轢はつきもの。
絶対に逃げない。

当然、すべての特約店・SSが平山氏のような積極的な姿勢を歓迎してくれるわけではなかった。中には、『今まで通りでも特に困っていない』と改革を拒絶する経営者もいたという。

「僕の㈱ライジングサンへの出向が決まった時、夜通し13軒もハシゴして、盛大に送別してくれた社長がいるんです(笑)。そんなに仲良くなった人でも、最初は僕の意見に懐疑的で、本当に頑なでしたね。何かを変えようと思ったら、必ず軋轢は起こります。でも、そこで逃げずに向き合って話せば、より良い結果が生まれると信じてぶつかっていきました。『途中で絶対に逃げたりしないから、僕を信じてください!』と最初のアポイントで伝えたことを覚えています」

『今のままで良い。変わりたくない』と言う経営者に対して、なぜそこまで熱心に働きかけることができたのだろうか。その理由を平山氏はこう語った。

「石油ビジネスの主役はSSの人たちだと思っているんです。それが僕の信念。今後、業界環境が変化したり、SSの在り方が変わったとしても、一番大事なのは現場の笑顔であることに変わりはないんです。『今、困っていない』と言われても、変化する世の中でこの先もずっと困らないのか。特約店の社長やSSスタッフにはずっと笑顔でいてほしいし、もっともっと幸せになってほしい。SSで働くお父さんの輝く姿を子どもたちに見てもらいたい。そんな気持ちが強かったですね。社長とは意見対立してケンカ寸前になることも多かったですが、結果として昭和シェル石油発行のブランドカードの発行枚数で全国一位になるほどの成長につながりました。今となっては軋轢があったことも良い思い出です」

後輩からも貪欲に学ぶ。
一緒に成長し組織を強くする。

こうした実績を引っ提げて、㈱ライジングサンに出向した平山氏。プロジェクトも軌道に乗った今、後輩の育成にも力を入れている。

「後輩を育てることは大きなミッションの一つですが、同時に自分も成長しないといけないと思っています。出向当初は、バッテリーやワイパーのことなんか全然わからなくて、入社2年目の新人相手でも、なりふり構わず質問して、自分のものにしていくようにしていました。それは今でも変わりません。後輩が良い結果を出したら、なぜその成果を出せたか聞きますし、良い資料なら誰が作ったものであれ参考にさせてもらいます。

育成の観点では、成功体験だけでなく失敗談をセットで伝えるようにしています。過去の失敗を知ることで、後輩たちは同じ轍を踏まない。当時の僕より確実に成長するじゃないですか。そうしたら、僕は後輩に負けたくないからもっと頑張る。その結果として組織全体が強くなることが大切なんだと思っています」

社内外の様々な人を巻き込んでいく上で大切にしていることとして、『明るい未来を見せる熱意』を挙げた平山氏。ロジックを重ね、建設的で未来を見据えた提案に、周囲を圧倒するほどの情熱を掛け合わせて、社内のメンバーも特約店も引っ張っていく。そんな力強さが石油業界を照らす一筋の光になっている。